前回、住宅ローンの金利の種類についてご説明をさせて頂きましたが、「結局どれが一番オススメなのか?」について気になる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、それぞれの金利でローンを組んだ場合のシミュレーションを行い、比較検討していきたいと思います。
前回の記事でご紹介した、三菱UFJ銀行での2021年5月時点の金利は下記のとおりです。
・変動金利 :0.475%
・10年固定金利:0.740%
・フラット35 :1.360%
それぞれ融資額4,000万円の融資期間35年でローンを組んだ際の「月々の支払額」「総支払額」「総利息額」をまとめた表がこちらになります。
金利  | 月々の支払額  | 総支払額  | 総利息額  | |
変動金利  | 0.475%  | ¥103,393  | ¥43,424,986  | ¥3,424,986  | 
10年固定金利  | 0.740%  | ¥108,132  | ¥45,415,617  | ¥5,415,617  | 
フラット35  | 1.360%  | ¥119,749  | ¥50,294,656  | ¥10,294,656  | 
期間選択型の固定金利は新規借入時から10年間返済を行った後に、11年目から変動にするか固定にするかを選択することができます。
このとき引き続き固定金利を選択したとしても、最初の10年間と同様の金利は適用することができません。
金融機関にはそれぞれ「店頭表示金利」という基準金利に該当するものがあり、新規借入時は「店頭表示金利」から新規借入ボーナスとして金利の割引をする形で低金利の住宅ローンの提供を実現しているからです。
仮に世の中の住宅ローン金利が同水準で移行したとしても、11年目からは新規借入ボーナスが無くなってしまう為、割高な金利で返済を行わなくてはなりません。ここでは、11年後も固定金利を選択し続けた場合でのシミュレーションを出してみました。
金利  | 月々の支払額  | 総支払額  | 総利息額  | |
変動金利  | 0.475%  | ¥103,393  | ¥43,424,986  | ¥3,424,986  | 
10年固定金利  | 0.740%  | ¥108,132  | ¥50,149,661  | ¥10,149,661  | 
(11年目以後)  | 1.890%  | ¥123,913  | ||
フラット35  | 1.360%  | ¥119,749  | ¥50,294,656  | ¥10,294,656  | 
一見、金利も安くて安心感のある10年固定金利でしたが、3つの金利の中で一番高いフラット35と総利息額が15万円程度の差となってしまいました。
次に、変動金利と固定金利を選ぶ際に一番気になるポイントである「金利上昇リスク」を加味してシミュレーションを行いたいと思います。ここではわかりやすく10年毎に0.5%ずつ金利が上昇していった場合で算出しております。
金利  | 月々の支払額  | 総支払額  | 総利息額  | |
変動金利 (1年~10年)  | 0.475%  | ¥103,393  | ¥46,190,671  | ¥6,190,671  | 
(11年~20年)  | 0.975%  | ¥109,873  | ||
(21年~30年)  | 1.475%  | ¥113,960  | ||
(31年~35年)  | 1.975%  | ¥115,394  | ||
10年固定金利  | 0.740%  | ¥108,132  | ¥50,149,661  | ¥10,149,661  | 
(11年目以後)  | 1.890%  | ¥123,913  | ||
フラット35  | 1.360%  | ¥119,749  | ¥50,294,656  | ¥10,294,656  | 
一番金利の低かった変動金利でも、21年目からフラット35の金利を超えてしまいますが、なんとそれでも総利息額は410万円の差をつける結果となりました。
※10年固定金利で金利が上昇していったパターンは、表が見づらくなってしまうので載せておりませんが、総利息額は最も高く約1,325万になります。
何故ここまで差が出るのかを全部説明すると非常に難しくなってしまうので簡潔に述べますと、変動金利では最初の10年間支払っている金額の内、元本に占める割合が非常に大きいからです。
変動金利とフラット35の最初の支払金額とその内訳は下記のようになっております。
月々の支払額  | 支払元本  | 支払利息  | |
変動金利  | ¥103,393  | ¥87,559  | ¥15,834  | 
フラット35  | ¥119,749  | ¥74,416  | ¥45,333  | 
支払い利息額に約3万円の差がありますが、それが10年間と続くので総支払金額に400万以上の差が出てしまうわけです。
こちらは突き詰めればどんどん難しくなってしまう内容なので、金利上昇を加味しても一般的には変動金利の方がお得になりやすい。とだけ覚えて頂ければと思います。
当然、10年固定金利やフラット35がお得になるケースも存在しますが、こちらはまた別の機会にご説明できたらと思います。
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